愛日梨
(可愛い……柔らかそう……。
小さくふるふると動いてる……)
ただただ感動で、彼の耳から目が離せなかった。
愛日梨
「さ、触ってもいいですか?」
レイン
「別に構わないが」
恐る恐る手を伸ばし、付け根あたりから真ん中にかけて優しく触れる。
愛日梨
(わぁぁ……。
すべすべしてるし、柔らかい……。
本当のうさぎみたい……)
小学生の頃に学校で飼っていたうさぎもこんな柔らかさだったかな。

小さな産毛がふわふわと手に馴染み、触れた指先に反応してぴくりと動く。
愛日梨
「可愛い……レイン……すごく可愛いです……」
もう可愛いしか言葉が出てこなかった。
レイン
「お、おい……もういいだろう」
愛日梨
「もうちょっとだけ……お願い、レイン」
指を滑らせる度に、生きているように耳がぴくぴくと小さく震える。
レイン
「っ……」